「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2015年2月号★チョコレートといえば・・・★
2015/02/19(木)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○チョコレート中毒の症状
○どのくらい食べたら危険なの
○もし食べてしまったら
チョコレートといえば・・・
担当獣医師:大野
「チョコレート中毒」という言葉を聞いて思いだすのが、
ゴールデン・レトリーバーのWくん(10歳の男の子)です。
とにかく色々なものを食べしまう癖があったWくんは、ある日
大量のチョコレートを誤飲して、生死の境をさまよいました。
「チョコレートが危険」ということはご存じの方も多いと思いますが、
「なぜ、チョコレートが危険なのか」「どんなチョコレートをどれだけ食べると
症状がでるのか」皆さんはご存じですか。
◇◆◇◆チョコレート中毒の症状◇◆◇◆
ワンちゃんがチョコレートを食べてしまうとカカオの中の「テオブロミン」
という成分が過剰に作用し、興奮、頻脈、不整脈といった症状を引き起こします。
ほかにも嘔吐、下痢、けいれん、ふるえ、発熱、ふらつきなどを起こし、
場合によっては死亡することもあるほど危険なのです。
◇◆◇◆どのくらい食べたら危険なの◇◆◇◆
カカオの含有量の多い、いわゆる「苦~い」チョコレートほど危険です。
症状が出てくるのはテオブロミン20mg/kgで軽症状、40~50mg/kg以上では
重篤な症状やけいれんがおきます。
ミルクチョコレートだとテオブロミン量は250mg/100g、カカオ70%以上だと
テオブロミン量は800mg/100g以上になってきます。
つまり、体重5kgのワンちゃんがミルクチョコレートを50g(板チョコ約1/2枚)
食べてしまうと軽い症状が出て、ダークチョコレート(カカオ70%以上)の場合は、
たった12g(板チョコ約1/8枚)食べてしまっただけでも重篤な症状がでるのです。
◇◆◇◆もし食べてしまったら◇◆◇◆
すぐに病院で吐かせることが重要です。
病院へは、以下の情報を伝えていただけると良いでしょう。
1. 何時に食べたのか
2. チョコレートの種類(パッケージなどがあれば持参)
3. どの位食べたのか
4. 包み等も一緒に食べてしまったのか
チョコレートなどのお菓子は、家族の皆様が手の出しやすい所に置かれやすく、
ワンちゃんが知っていたり、届いてしまったりすることがあります。
バレンタインデーも近づき、ご自宅にチョコレートが増える時季です。
ワンちゃんのためにも、高い所や、蓋のしっかり閉まる容器など保管場所を決め、
絶対に誤飲することのないよう気をつけましょう。
ネコちゃんが間違って食べてしまった場合の症状や対処方法も
ワンちゃんの場合と同じです。
一般的に、ネコちゃんはチョコレートに対して嗜好性が高くないので
誤飲の確率が低いとされています。
【STOP誤飲プロジェクト】
http://www.anicom.co.jp/stopgoin/index.html
【STOP誤飲新聞】
http://www.anicom.co.jp/stopgoin/pdf/121218.pdf