「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2016年1月号★犬猿の仲って本当?★
2016/01/15(金)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○仲良くなるには社会化期が重要
○犬種による違いはある?
○新しいどうぶつをお迎えしたいなら
犬猿の仲って本当?
担当獣医師:兵藤
2016年、今年は申(さる)年です。
「猿」で思いつくことわざに、「犬猿の仲」というものがあります。
ことわざの由来は諸説あり、干支の物語からきているという説、
「嫌厭」からきているのでは、という説などです。
皆さまご存じの通り「とても仲が悪いこと」を言いますが、テレビなどでは、
ワンちゃんとお猿さんが仲良く一緒にいる映像を目にすることも少なくありません。
◇◆◇◆仲良くなるには社会化期が重要◇◆◇◆
他のどうぶつと仲良くできる子と、できない子がいる理由。
それは、ワンちゃんの「社会化期」にあります。
「社会化期」とは、生後約4~13週齢くらいの時期で、ワンちゃんが
色々な刺激に慣れることができる期間です。この時期に接触したどうぶつに
対しては、一生を通じて続くような長期的な愛着を抱くようになります。
この社会化期に、いかに様々な経験をしたかによって、大人になってからの
行動が変わってきます。
お猿さんに限らず、ネコちゃんや鳥さんなど、他のどうぶつと仲良くできる
ワンちゃんは、小さな時にそうしたどうぶつと一緒にいたり、触れ合っていた
可能性が高いです。
そのため、恐怖心や警戒心などが生まれにくくなるのです。
◇◆◇◆犬種による違いはある?◇◆◇◆
犬種の特性上、他種のどうぶつと共存がしにくいワンちゃんもいます。
ハウンド系(猟犬:ダックスフンド、ビーグル、バセット・ハウンドなど)
テリア系(ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア、ジャック・ラッセル・テリアなど)の犬種です。
元々小さなどうぶつを追う仕事をしていたため、同じ生活空間にそういった
どうぶつがいると、本能的に狩りの欲求が出てしまうことがあるからです。
もちろん、その子の性格にもよるため一概にはいえません。
しかし作業意欲の優れた子だと、獲物が目の前にいるのに追えないことで
ストレスがかかってしまう場合もあります。
こうした性格のワンちゃんが小さなどうぶつと同居する場合、おもちゃや
お散歩でワンちゃんの欲求を発散する、生活スペースを完全にわけるといった工夫が必要になります。
◇◆◇◆新しいどうぶつをお迎えしたいなら◇◆◇◆
では、今一緒に暮らしている子の他に、新たにどうぶつをお迎えしたい場合は
どうしたらよいでしょうか。
まずは、ワンちゃんのお散歩時の様子をよく見てみましょう。
小鳥やネコちゃんなどを追いかけたりしないようなら、同居できる可能性はぐっと高くなります。
続いて、お迎えしたいどうぶつが決まったら、かならずお互いの安全が保障
された状態(ケージ越し、ガラス越しなど)で顔あわせをしてみましょう。
お互いの匂いや動きで興奮してしまう子もいるので、注意深く様子を観察してください。
お迎えしたら、最初から同じ空間に終日いさせる、ということはせず、徐々に
一緒にいる時間を長くしていき、少しずつ慣らしてあげてください。
新しいどうぶつがいると、ついついそちらばかりに手をかけてしまい、
元からいた子が、焼きもちからストレスを感じてしまうこともあるので
気を配ってあげましょう。
異種のどうぶつが同居する様子は、どうぶつ好きの方なら一度は夢みる光景です。
ぜひ今年もどうぶつたちとの素敵な暮らしを満喫してください。