「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通2016年12月号★楽しいクリスマスを過ごすため★
2016/12/29(木)どうぶつ健康通信
○誤飲
○肺水腫
○膵炎(すいえん)
○下痢
楽しいクリスマス、お正月を!!
当獣医師:鈴木
12月に入り、毎日が慌ただしく過ぎていく季節です。
冬休みにクリスマス、お正月など、どうぶつと一緒に過ごせる
楽しいイベントも盛りだくさん。しかしこの時期だからこそ
気をつけなければならない病気もあります。
今回は、この時期に多く見られる症例をご紹介いたします。
◇◆◇◆誤飲◇◆◇◆
クリスマスと言えばフライドチキン。
ご家族がおいしそうに食べている横で、じっと欲しそうにしている姿は
とってもいじらしく、ついついあげたくなってしまいますよね。
骨付きのフライドチキンの場合、骨が消化できず腸に詰まってしまうと、
開腹手術になるケースも少なくありません。
骨を噛み砕いていたとしても、逆に骨が鋭くなって食道や胃腸に
傷をつけてしまい、最悪のケースでは穴が開くことも!
◇◆◇◆肺水腫◇◆◇◆
それでは骨を食べなければいいのでしょうか?
骨を食べなくても、フライドチキンにはどうぶつにとって大量の塩分を
含んでいます。
心臓の悪い仔が大量の塩分を摂取すると、肺に水が溜まってしまう
肺水腫と言う病気を引き起こし、呼吸ができなくなってしまいます。
骨なしだからといって食べさせてよいわけではありませんので
ご注意ください。
◇◆◇◆膵炎(すいえん)◇◆◇◆
最近ではどうぶつ用のケーキも販売され、一緒に楽しめるように
なってきました。
ヒト用のケーキをあげてはいけないことはご存知の通りです。
では、なぜ人のケーキはあげてはいけないのでしょうか。
それは脂肪分が多すぎるから。
摂取された脂肪分は、膵液と呼ばれる膵臓から分泌された消化液に
よって分解され、吸収されます。
一度に多量の脂肪を摂取した場合、脂肪を消化するための膵液が
たくさん作られるのですが、うまく分泌されずに詰まってしまう事が
あります。この状態が続くと膵液により、すい臓自身が消化される
膵炎が引き起こされます。
◇◆◇◆下痢◇◆◇◆
この季節一番多いのはこの症状。
ケーキ同様、どうぶつ用のおせち料理も最近見かけるようになりました。
喜んで食べてくれるどうぶつも多いことと思います。
しかし、喜んで食べてくれるからと言って油断は大敵。
食べ慣れてない上に、食べ過ぎてしまいがちなので、消化不良を
起こしてしまうどうぶつも少なくありません。
初めての食べ物をあげる際には少しずつあげるようにご注意ください。
楽しいイベントが悲しいイベントにならないよう、どうぶつと人の
違いを知って、楽しいクリスマス、良い新年を皆さんで迎えましょう。