「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通2017年3月号★暖かくなると出てくるのは…★
2017/04/03(月)どうぶつ健康通信
○驚異の身体能力を持つノミ
○熱センサーを持った知能犯のダニ
○ノミとダニの食事の流儀
○すぐ見つかる?いえいえ見つかりません
暖かくなると出てくるのは…
担当獣医師:近 朋之
春が近づき、暖かい日と寒い日が交互に繰り返すこの季節。
ワンちゃん、ネコちゃんは体調を崩していないでしょうか。
徐々に暖かくなり、体調も良ければ、一緒にお出かけする
機会も増えてきます。
ただ、暖かくなって元気になるのは、私たちだけではありません。
そう、ノミやダニも元気に活動を始めます。
大切な家族を守るためには、しっかりと予防することが大切です。
まずは、ノミ、ダニの生態を知ることから始めましょう。
◆◇◆◇驚異の身体能力を持つノミ◆◇◆◇
ノミは草むらや物陰などあまり日の当たらない場所を好みます。
成虫はどうぶつの体にいることが多いですが、
卵や幼虫は様々なところに潜んでいます。
ワンちゃん、ネコちゃん、ときにはネズミさんが良く通る所なら、
意外と家の近く、家の中でも潜んでいることがあります。
数ミリの体長からその100倍以上のジャンプ力で
ワンちゃんたちの体にとびかかってきます。
◆◇◆◇熱センサーを持った知能犯のダニ◆◇◆◇
ダニは基本的に自然の多い草むらに潜みます。
草をのぼりその先端で待ち構え、手の先の熱センサーで
動く温かいものを見つけるととびかかります。
ワンちゃんたちと同じ背丈くらいの草むらは要注意です。
◆◇◆◇ノミとダニの食事の流儀◆◇◆◇
ノミもダニもその食事はどうぶつの血ですが、その食事の仕方は異なります。
どちらも口をどうぶつの体に刺し、血が固まらない様に唾液を出します。
ノミはそこから出てきた血を吸って短時間で吸血を終えますが、
ダニは口の周りをワンちゃんたちの皮膚とくっつける物質で固め、
出てくる血を時間をかけて吸血します。
がっちりくっついているので、無理に取ろうとするとワンちゃんの
皮膚を傷つけたり、ダニの頭がワンちゃんの皮膚に残ってしまいます。
ノミやダニを見つけた際には慌てて引っ張らず、病院に連れて行きましょう。
◆◇◆◇すぐ見つかる?いえいえ見つかりません◆◇◆◇
ノミやダニがついていたらすぐに見つけられると
思うかもしれませんが、そんなことはありません。
どうぶつは毛づくろいをするので、
ノミが体についても飲み込んでしまうことがあります。
ノミが寄生していても、その糞しか見つからないことも。
またよく見るダニの写真は血を吸った後のものですが、
血を吸う前のダニは数ミリです。
つまり、ノミもダニも見つけた時はもう血を吸われた後のことが多いのです。
ノミやダニはワンちゃんたちに怖い病気を感染させることもあります。
最善の策は、血を吸われる前に予防すること。
予防の時期は、お住まいの地域や出かける場所によって異なります。
お出かけ前に動物病院で相談し、万全の準備で暖かい季節を迎えましょう。