「どうぶつ通信」ネコちゃん版3月号★春は換毛期!こまめなブラッシングを行いましょう★
2014/03/03(月)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○ネコちゃんの毛球症
○ネコちゃんの換毛期について
○ブラッシングのポイント
春は換毛期!こまめなブラッシングを行いましょう。
担当獣医師:山田
寒さも幾分か和らぎ、春の訪れを感じられるようになってきましたね。
桜の開花が楽しみな時期となりましたが、桜の開花と同じように、
ネコちゃんの毛の生え変わりに
春の訪れを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「毎年、春から夏にかけて毛玉を吐くことが多く、心配なんです。」
と言って来院したのは、ペルシャ猫のモモちゃん(仮名:2歳の女の子)と飼い主さんでした。
お話を伺うと、食欲や元気はあるけど、
最近は、週1回のペースで早朝に毛玉だけを吐いているとの事でした。
ネコちゃんは元々吐くことが多いどうぶつで、
モモちゃんのように春先から毛玉を吐くことが多いようです。
幸いモモちゃんは毛玉を吐く以外、大きな症状がなかったため、
毛球症の予防としてこまめにブラッシングをしていただき、
経過を見ていく事になりました。
◆◇◆◇◆ネコちゃんの毛球症(もうきゅうしょう)◆◇◆◇◆
ネコちゃんは、ザラザラとした舌で全身をなめて
毛づくろいをし、身体をきれいにする習慣があります。
その時に舌に引っかかった抜け毛を飲み込んでしまい、
胃や腸などの消化管内で毛玉となって留まることで、
嘔吐や便秘等の症状を引き起こす病気です。
特に長毛種のネコちゃんで多くみられ、換毛期など被毛の生え変わりが
多い時期に注意が必要です。
きれい好きで毛づくろいは大好きなのに、ブラッシングが嫌いな場合や
皮膚病などで脱毛が多い場合にも、毛球症を引き起こしやすくなります。
毛球症や毛玉を吐かないようにするための対処法としては、
飼い主さんの丁寧なブラッシングで
飲み込む毛の量を減らしてあげることが一番です。
◆◇◆◇◆ネコちゃんの換毛期について◆◇◆◇◆
ネコちゃんの換毛期(かんもうき=毛の生え変わる時期)は、
一般的に3月と11月の年2回です。
暖かくなり始める3月頃と寒さが厳しくなる11月頃に、
古い被毛が抜け落ち、新しい被毛に生え変わります。
この時期は抜け毛が多くなり、ネコちゃんの体をなでただけでも
ごっそりと毛が抜け落ちることもあります。
被毛の生え変わりに大きな影響を及ぼすのが「日照時間」です。
日光を浴びている時間が変化することによって換毛期を迎えます。
完全室内飼いで、人工的に家の明かりを長く浴びていると、
季節のメリハリがなくなって、一年中抜け毛を起こすこともあります。
そのようなときには、できるだけ自然光に沿った時間で光を当ててあげるとよいでしょう。
◆◇◆◇◆ブラッシングのポイント◆◇◆◇◆
ネコちゃんの毛は柔らかく切れやすいので、
ブラシをかけたときに切れてしまうことがあります。
切れてしまうと、上手く抜け毛を除去できない事もあるので、
ブラッシングを工夫してみましょう。
ブラシを使う場合は力を入れすぎないようにしましょう。
また、ブラシではなくクシを利用するのも一つの方法です。
最初はクシをあまり寝かさずに、目の粗い方のクシを使い、毛の表面を柔らかくとかします。
スムーズに通るようになったら細かい目の方で行います。
毛は一気にとかすのではなく、少しずつ分けて毛先から徐々にとかしましょう。
次にクシを寝かして毛の根本まで入れてしっかりとかしていくことで、
抜け毛をとっていきます。抜け毛をクシにからませたままにしておくと、
抜ける必要のない毛まで一緒に取りすぎてしまいますので、
クシについた抜け毛はなるべくこまめに取ると良いでしょう。
毛球症予防の基本は、日ごろからブラッシングを欠かさないことです。
ブラッシングでこまめにネコちゃんの抜け毛を取り除いてあげれば、
ネコちゃんが飲みこむ毛の量も少なくなります。
換毛期には、短毛のネコちゃんは1日1回、長毛のネコちゃんは1日2回を目安に
まずはスキンシップとして、毎日のブラッシングをはじめてみましょう。