「どうぶつ健康通信」ワンちゃん版4月号★熱中症、春からご注意を!★
2014/04/01(火)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○熱中症、春からご注意を!
○熱中症になってしまったら
○熱中症からワンちゃんを守るには
◆◇◆◇◆熱中症、春からご注意を!◆◇◆◇◆
担当獣医師:金子
すっかり春らしくなり、お散歩が気持ちよい季節になりました。
春になったとはいえ、肌寒い日もあり、暑さ対策なんてまだまだ先の話・・・
と思われるかもしれませんが、今回は熱中症のお話です。
実は春先にも熱中症は起こります。暑さに体が慣れていないのに
急に気温が上がると、人もどうぶつも熱中症になりやすいと言われています。
特に室内や車の中での熱中症は真夏だけではないのです。
4月のある日の夕方、パグの「はなちゃん」(3歳)が
慌てた様子の飼い主さんに抱きかかえられ、病院へやってきました。
「スーパーで買い物の間、はなを車の中に置いておいたの。
戻ってみたら車の中でグッタリしてたんです。」
意識はありますが、ハアハアととても苦しそうな呼吸をしています。
体温を測ると40.5℃。熱中症と診断し、すぐに処置を始めました。
◆◇◆◇◆熱中症になってしまったら◆◇◆◇◆
熱中症の治療は、まずは熱を下げることが第一です。
体温が下がりやすくなるように、はなちゃんの体を水で濡らした後、
冷風を送りながら、脇の下や股の間といった太い血管のある部分に保冷剤をあてます。
体温が下がりすぎないように注意しながら、39℃台になるまで冷却の処置を行います。
血液検査の結果、腎臓や肝臓にダメージはないようでしたが、
脱水を改善する点滴を行うために一晩入院することになりました。
翌日にはすっかり元気を取り戻し、無事に退院することができました。
はなちゃんは、飼い主さんがすぐ病院に連れてきてくれたことで、
大事には至りませんでしたが、重症になるとけいれん発作や
意識の喪失、ショック症状を起こし、死に至ることもあります。
熱中症が疑われたら、病院に連れていくまでの間も、
水やタオルを巻いた保冷剤を使ってワンちゃんの体を冷やす応急処置が重要です。
◆◇◆◇◆熱中症からワンちゃんを守るには◆◇◆◇◆
熱中症は飼い主さんが気をつけてあげることで予防できます。
家の中でお留守番する場合は、室内の風通しを良くしたり、
風が通らない部屋ではエアコンをつけたりして、
室温が高くなり過ぎないようにしましょう。
また、エアコンの除湿機能を活用したり、カーテンやすだれなどで
遮光して室温の上昇を防ぐのも効果的です。
そして、いつでも新鮮なお水を飲めるようにしておくことや、
日頃から肥満にさせないように心掛けることも大切です。
真夏だけでなく、気温が徐々に高くなってくるこの時期から
気をつけてあげましょう。
これからお出かけに快適な季節になりますが、
絶対にワンちゃんをひとりで車の中に置いていかないでくださいね。
【熱中症対策はこちらから「STOP熱中症プロジェクト」】
http://www.anicom.co.jp/stopheatstroke/