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「どうぶつ健康通信」ワンちゃん版8月号★ワンちゃんの心臓病

2014/08/05(火)どうぶつ健康通信

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★もくじ★


○ ワンちゃんに多い心臓病 -弁膜症-


 


○ 弁膜症と診断されたら・・・


 


○ 弁膜症による症状を見逃さない!


 


○ 弁膜症の治療方法は?


 


 


ワンちゃんの心臓病


 


担当獣医師:高野裕史


 


はじめまして! JASMINEどうぶつ循環器病センター獣医師の高野です。


「JASMINEどうぶつ循環器病センター」とは


世界でも数少ない、循環器病(主に心臓病)の


診断・治療を専門に行う動物病院です。


アニコムグループ初の二次診療施設として、


7月31日に神奈川県横浜市の都筑区に開院しました。


(ホームページURL:http://www.jasmine-vet.co.jp


今回は、当センターが専門とする、ワンちゃんの心臓病についてお届けします。


 


◇◆◇◆ワンちゃんに多い心臓病 -弁膜症-◇◆◇◆


心臓病は中、高齢のワンちゃんによくみられる病気です。


そのほとんどを占めている病気が「弁膜症」です。


チワワ、シー・ズーなどの小型犬や


キャバリア・キングチャールズ・スパニエルなどがかかりやすい犬種として


知られていますが、他にも様々な犬種で起こりうる病気です。


加齢とともに発症するワンちゃんが増え、


徐々に病気が進行していくことが弁膜症の特徴です。


「弁膜症」とは、文字通り心臓の中の「弁膜」が正常に


機能しなくなってしまうことで生じる病気で、


「僧帽弁閉鎖不全症」「慢性弁膜疾患」「僧帽弁粘液腫様変性」などの名


でも呼ばれています。


【詳しい説明はこちら】


https://www.anicom-page.com/tobyoki/manabu/manabu2_1.html


 


この病気にかかると、血液を一方方向に流す“弁”の役目を


「弁膜」が果たすことができなくなり、心臓内で血液の逆流が生じます。


その結果、心臓内で血液が停滞し、心臓は徐々に大きくなります。


進行すると咳や呼吸困難などが認められるようになり、生命を脅かします。


 


◇◆◇◆弁膜症と診断されたら・・・◇◆◇◆


咳や呼吸困難の症状で通院し、この病気が発見されるほか、


動物病院で身体検査を受けたとき、「心雑音」によって見つかることも多いようです。


症状のないうちに病気を発見することで


その後の定期的な検診で病気の進行程度を把握することができますし、


ご家族が普段から症状が出ていないかを


注意深く観察してあげることができます。


ワクチン接種やフィラリア予防などで通院した際には


身体検査をしっかり行い、定期的にわが子の健康状態を把握しておくことが大切です。


 


◇◆◇◆弁膜症による症状を見逃さない!◇◆◇◆


弁膜症により生じる症状は、主に咳・呼吸困難です。


小型犬種では「弁膜症による心臓の拡大」と「気管・気管支(口から肺までの空気の通り道)の病気」


が双方に影響を及ぼし、“ガチョウの鳴き声”に


喩えられる「ガー、ガー」と聞こえる咳をすることも多いです。


また、心不全になると肺に水が溜まってしまい(肺水腫)、


呼吸の状態も悪くなります。


【呼吸困難を見分けよう】


早い段階でわが子の呼吸困難に気づいてあげるには、


健康な時に、1分間の呼吸数を測っておくことが有効です。


ソファーでおとなしく寝ているなど、安静にしている時に測ります。


ワンちゃんのお腹や胸が上がって下がっての動きを1回として数え、


15秒間の胸の上下運動の回数を数えて4倍します。


これが1分間の呼吸回数となります。


30回/分以下が正常とされていて、


50回/分以上となるような場合は異常と言えます。


普段から呼吸数を数えて記録しておくことで


異常時に素早く気付けるようにしましょう。


お家での呼吸数の測定は、心不全を発症した後の管理にも役立ちます。


動物病院では興奮や緊張のためにどうしても高い数値が


出やすくなります。


安静時の呼吸数はご家族にしか得る事のできない非常に大切な


情報となります。


 


◇◆◇◆弁膜症の治療方法は?◇◆◇◆


治療方法は飲み薬による(内科的)治療と、手術を行う(外科的)治療に大きく分けられます。


残念ながら、現時点では内科的治療でこの病気を治す事はできません。


従って、心不全となってしまうまでの時間を遅らせるか、


心不全の症状の緩和させることが飲み薬での治療の目的となります。


手術を行う治療は、心臓を止めて心臓内の弁膜を修復する


「僧帽弁修復術」が行われます。


実施できる施設は非常に限られていますが、心臓の負担を減らし心不全による症状の消失・緩和することが期待できます。


これにより余命を延長させ、将来的に内服の必要がなくなる可能性もあります。


以上、少し難しい内容でしたがいかがでしたでしょうか?


わが子と十分なスキンシップをとり、毎日の状態を見てあげる事で、


異常にいち早く気づいてあげられるようにしたいものですね。


 


※※※※※※※※※ご注意ください※※※※※※※※※※※


「JASMINEどうぶつ循環器病センター」はかかりつけ医からの


紹介症例のみを予約制で診療する二次診療施設です。


診療には、病歴や治療・検査歴などの詳細情報が必要です。


診察を希望される際は、まずかかりつけの動物病院にご相談下さい。


詳細はこちらからhttp://www.jasmine-vet.co.jp/customer/


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