「どうぶつ健康通信」ネコちゃん版10月号★ネコちゃんの結膜炎★
2014/10/09(木)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○ネコちゃんに多い結膜炎
○なんで結膜炎が多いの?
○家でどんな症状に注意すればよいの?
ネコちゃんの結膜炎
担当獣医師:原
橋本さん家の茶トラ猫、小雪ちゃんは元々ノラちゃんでした。
いつも通り買い物から帰ってきてみてみると、小雪ちゃんの様子が
いつもと違い、ピンク色の結膜が目を覆っていました。小雪ちゃんの目に
いったい何が起きたのでしょう。
今回は10月10日の目の愛護デーにあわせ、ネコちゃんの目のお話を
お送りします。
◇◆◇◆ネコちゃんに多い結膜炎◇◆◇◆
「結膜炎」とは文字通り、結膜が炎症を起こしてしまう病気です。
結膜とは、まぶたをめくったところにあるピンク色の部分です。
人では「アレルギー性結膜炎」という言葉を耳にすることも多いですが
ネコちゃんには この「結膜炎」という病気がとても多いです。
小雪ちゃんも動物病院で「結膜炎」と診断されました。
とはいえ、ネコちゃんの「結膜炎」は人とは違った原因で起こることが
多いのです。それは、小雪ちゃんがまだ子猫だった頃までさかのぼります。
◇◆◇◆なんで結膜炎が多いの?◇◆◇◆
ネコちゃんの結膜炎の原因の多くは、感染によるものです。
なかでも、多くのネコちゃんの結膜炎の原因となるのが「ヘルペスウィルス」
です。このウィルスが悪さをすると、結膜炎の他にも症状が出ることがあります。
くしゃみ・鼻水などが代表的で、感染は、分泌物を通して他の子にも広がります。
なにより厄介なのは、一度感染してしまうとウィルスを体から完全に追い出すの
が難しいという点です。
症状が一旦治まってもヘルペスウィルスは潜伏しつづけます。そしてまた免疫力が
落ちてくると再発するというような経過をたどります。
小雪ちゃんのようにノラちゃんだった子は、子猫の時にウィルスに感染している
可能性が高いといえます。ただし、このウィルス感染自体が命に関わることは
ほとんどありません。人でも体調が悪くなると口の周りにできものができることが
ありますが、それと大きくは変わらないので、あまり神経質になる必要はありません。
症状が出ないように日頃の体調管理をしっかりしましょう。
◇◆◇◆家でどんな症状に注意すればよいの?◇◆◇◆
結膜炎に関わらず、目の病気では飼い主さんが症状に気付けるポイントが
たくさんあります。
代表的なポイントは「目が赤い」ことです。
「目の赤さ」だけでなく、その部位も重要です。
白目の部分か、まぶたをめくったところなのか、目の周りかなどを
チェックするとよいでしょう。
1つの症状から、この病気だと絞ることはできませんが、いかに早い段階で
異常に気付くかはその後の治療にも関わる重要なことです。
以下に見て分かる目の異常を一部お伝えします。
■目が赤い(どこが赤いのか)
■目をしょぼしょぼさせている/まぶしそうにしている
■黒目の中央(瞳孔)の大きさが左右で異なる
■目が飛び出ている
大事なのは日頃からネコちゃんの目をよく見ることです。
異常を知るにはまず正常を知ることから。
目の愛護デーは、いつも以上にネコちゃんと見つめあってみませんか。