「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2015年5月号★熱中症にご用心★
2015/05/28(木)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○体を冷やす処置とは?
○熱中症にかかりやすい場所・状況は?
○「熱中症週間予報」配信中
熱中症にご用心
担当獣医師:森脇
新緑がまぶしく、天気のいい日はお散歩するのが気持ちいい季節です。
この季節に気を付けたいのが熱中症。
季節の変わり目で、急に気温が上がると上手に体温調節ができないのは
人もどうぶつも一緒です。
また、外の気温がそこまで暑くないので、室内や車内を閉め切ると、
どれくらい暑くなるか、なかなか想像できないことも原因のひとつに
なっています。
5月のある日、ミニチュア・ダックスフンドの「チョコちゃん」(3歳)の
飼い主さんが慌てて病院に来られました。
病院に運ばれたチョコちゃんは、意識はありましたが、呼吸が荒く、
ぐったりとした状態です。
飼い主さんの話によると、いい天気だったので、ちょっと遠くの河原まで
チョコちゃんと車でお出かけをしたそうです。
帰り道、窓を開けた車にチョコちゃんを乗せたまま、買い物に寄ったところ、
ついつい時間が経ってしまい、戻ってきたらこのような状態になっていた
とのことでした。
体温を測ってみると、40℃。
熱中症であると診断し、すぐに体を冷やす処置を行いました。
◇◆◇◆体を冷やす処置とは?◇◆◇◆
みなさんなら体温を下げるとき、どのようなことをしますか?
ワンちゃんやネコちゃんも同じです。
体を水で濡らしてあげたり、冷風を送ったり、脇の下や股の間にある
太い血管部分に保冷剤をあてます。
病院に着くまでの間も、水で濡らしたタオルを使うなどの応急処置が
有効です。
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血液検査の結果、腎臓や肝臓にはダメージはないようでしたが、
脱水を補う点滴を行うため、チョコちゃんは、一晩入院をしました。
飼い主さんは、心配でいっぱいの一晩を過ごすこととなり、チョコちゃんを
車内に残してしまったことを後悔していました。
◇◆◇◆熱中症にかかりやすい場所・状況は?◇◆◇◆
車の中、閉め切った室内、日陰のない屋外、散歩や運動中など
いつも過ごしている環境と変わりません。
快適な室温は23~25度程度といわれています。
どうぶつ周りの気温が高くなりすぎないように窓を開けたり、
エアコンを利用して温度管理をしてあげる必要があります。
また、いつでも新鮮なお水を飲めるようにしておくことも大切です。
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チョコちゃんは元気に退院できましたが、熱中症は症状が重くなると
意識の喪失、ショック症状などが見られ、死に至ることもあります。
これから徐々に気温が高くなってきます。まだ夏じゃないから…と油断せず、
どうぶつが過ごしやすい環境を作ってあげましょう。
◇◆◇◆「熱中症週間予報」配信中◇◆◇◆
気象庁が発表する天気・気温の週間予報などから、熱中症に対する「厳重警戒」「警戒」
「注意」「やや注意」の4段階を表示し、毎週金曜日に発信しています。
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