「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2015年6月号★外耳炎を予防しよう★
2015/06/30(火)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○構造上の問題
○環境の問題
外耳炎を予防しよう
担当獣医師:須田
じめじめとした日々が続くこの季節、特に気をつけていただきたい病気として
外耳炎があります。
人ではあまり多くありませんが、ワンちゃん・ネコちゃんでは、非常によく
みられる病気です。
外耳炎とは、耳の穴から鼓膜まで(外耳道)の炎症です。
「耳の中が赤い」、「かゆがる」、「腫れる」、「臭う」などの症状が見られます。
人の場合、耳かきなどの物理的な要因がほとんどですが、ワンちゃんや
ネコちゃんの場合、原因として以下の2つがあげられます。
◇◆◇◆構造上の問題◇◆◇◆
■耳がたれているワンちゃん → 耳がふたの役割をし、蒸れやすくなります。
アメリカン・コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリバー、
ゴールデンレトリバーなど
■耳の穴の毛が多いワンちゃん → 毛によって汚れがたまりやすくなります。
トイ・プードルなど
■耳の構造が複雑なネコちゃん → 品種の特徴でもある耳の形により、汚れがたまりやすくなります。
スコティッシュ・フォールド、アメリカン・カールなど
◇◆◇◆環境の問題◇◆◇◆
■温度や湿度 → 耳の中の温度・湿度が高くなると細菌が繁殖しやすくなります。
これからの時期は要注意です。
■感染
・細菌・真菌 → 耳の臭いの原因となり、どうぶつにもストレスがかかります。
ひどくなると炎症が引き起こされ、化膿して痒みや痛みがでてきます。
放っておくと悪化して、中耳炎や内耳炎を引き起こすことも。
・寄生虫(耳ダニなど)→寄生虫が感染すると激しいかゆみの原因となることが
あります。
外耳炎は放っておくと、皮膚が厚くなり、治りにくくなってしまいます。
また、痒み、痛みから自分でひっかいたり、こすりつけたりすることにより、
耳血腫(耳の皮膚の中に血がたまり、腫れる病気)をひきおこす要因にも
なります。
では、どのような事に気を付けてあげればよいでしょうか。
■小さい頃から、耳のお手入れをして、触られるのに慣れさせる
まずは、耳を触ることから始め、慣れてきたらティッシュやコットンで
手の届く所だけでも定期的にふきましょう。
耳道を傷つけることがあるので、綿棒で奥までふく必要はありません。
耳あかが多い場合は、定期的に動物病院などでケアをしてもらいましょう。
■耳毛のトリミング
耳毛が多い子は、月に一回程度、耳毛のトリミングを行い、湿気が
たまらないようにしましょう。
■気づいたらすぐに動物病院へ
外耳炎は早期治療が重要です。最近よく耳を掻く、耳が臭う等の症状が
見られたら、動物病院で診てもらいましょう。
外耳炎は、どうぶつを日頃からよく見て、定期的なお手入れをすれば
予防できます。また、早期に発見すれば、すぐに治り、どうぶつの負担を
減らすことが可能です。
日に日に蒸し暑くなってくるこの季節、ワンちゃん・ネコちゃんの状態を
しっかり把握して、健康に過ごせるよう努めましょう。