「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2016年3月号★ワンちゃん・ネコちゃんのワクチン接種★
2016/03/15(火)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○どちらが先?
○同時に接種してよい?
○ワンちゃん以外は狂犬病予防接種は不要?
○ワクチンは絶対必要?
ワンちゃん・ネコちゃんのワクチン接種
担当獣医師:都倉
少しずつ暖かくなり、ワンちゃん、ネコちゃんにも過ごしやすい季節と なってきました。
4月からの狂犬病予防接種に向けて、毎年この時期に混合ワクチンも接種 しているワンちゃんのご家族の方からよく聞かれることがあります。
「狂犬病予防ワクチンと混合ワクチン、どちらを先に打てばいいですか?」
「同時に打てますか?」などです。
狂犬病の集合注射に行かれる方は、決められた日に行く必要があるので、 スケジュールに悩む方もいらっしゃるかもしれません。
ここでみなさん、「生ワクチン」「不活化ワクチン」についてご存じでしょうか?
簡単にいうと
<生ワクチン>
生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものを接種することによって、その病気 にかかった場合と同じように抵抗力「免疫」をつけようとするもの。
→ワンちゃん・ネコちゃんの混合ワクチンがこれにあたります。
(種類により不活化ワクチンと混合されています)
<不活化ワクチン>
細菌やウイルスを殺して毒性をなくし、抵抗力「免疫」をつけるのに 必要な成分を取り出してワクチン化したもの。
→狂犬病ワクチン(日本で使用されているもの)はこれにあたります。
◇◆◇◆どちらが先?◇◆◇◆
この質問に対する答えとしては「どちらでもいい」なのですが、 この生ワクチン・不活化ワクチンの違いによって、次にワクチンを 接種できるまでの期間が変わってくるのです。
基本的には、狂犬病の予防接種が先の場合は、接種1週間後から、 混合ワクチンが先の場合は接種4週間後から次の予防接種が可能です。
(子犬、子猫ちゃんの初年度の混合ワクチンに関しては、ワクチンプログラム により3週間間隔で混合ワクチンを接種する場合もあります。)
◇◆◇◆同時に接種してよい?◇◆◇◆
狂犬病予防と混合ワクチンの同時接種は基本的には行いません。
副作用が出てしまった場合、どちらのワクチンが原因かわからないこと、 同時接種の安全性が確認されていないなどの理由からです。
◇◆◇◆ワンちゃん以外は狂犬病予防接種は不要?◇◆◇◆
日本では、狂犬病予防法でワンちゃんにだけ接種が義務づけられている 狂犬病ですが、ワンちゃん以外の哺乳類にも感染します。
ワンちゃん・ネコちゃんなどのどうぶつを連れて海外に出国する際には、 ワンちゃん以外でも狂犬病の予防接種が必要になる国があります。
出国が決まったら、お早めに出国先の大使館までお問い合わせください。
◇◆◇◆ワクチンは絶対必要?◇◆◇◆
現在病気治療中のワンちゃんの場合は、獣医師の発行する「狂犬病予防注射 猶予証明書」を役所に提出すると、その年度は狂犬病予防接種が免除されます。
混合ワクチンもワンちゃん・ネコちゃんの病気によっては、延期したほうが良い場合もありますので担当の先生に相談することをオススメします。