「どうぶつ健康通信」ワンちゃん・ネコちゃん共通 2016年10月号★家ではあなたが主治医です★
2016/10/25(火)どうぶつ健康通信
★もくじ★
○獣医師の観察視点
○上級者編
家ではあなたが主治医です
担当獣医師:吉田
日増しに秋も深まり、朝晩は肌寒く感じるようになってきました。
ワンちゃん・ネコちゃんが隣で眠ってくれるのが嬉しい季節の始まりですね。
さて、当社にはどうぶつが好きで好きでたまらない社員(獣医師含む)が
たくさん働いています。今回は、そんなどうぶつ大好き社員が、自身の
どうぶつの健康のために気をつけている事や、自宅で日常的に行って
いるケアを「獣医師の観察視点」、「日々のケア」、「上級者編」に分けて
ご紹介いたします。
◇◆◇◆獣医師の観察視点◇◆◇◆
獣医師も、いち飼い主としてワンちゃん、ネコちゃんと暮らしています。
では、どのような視点から、わが子を観察しているのでしょうか。
■体格チェック
理想は日々の体重測定ですが、実際はなかなか難しいもの。
「見た目」と「触った感覚」で体格をチェックしている獣医師がほとんどです。
では、体格チェックには、どのような評価基準があるのでしょうか。
動物病院でよく用いられるのは「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)です。
以下のリンクを参照に、わが子の体格をチェックして、通院時にかかりつけの
獣医師と答え合わせしてみるのはいかがでしょうか。
http://www.anicom-page.com/all_education_details?type=13&id=73
■飲水量の増減
気にしていないと見落としてしまう観察ポイントです。
特に飲水量の大きな増加がないかに注意しましょう。
■口、耳、眼、全身の皮膚のチェック
口は歯肉炎(歯肉の赤みや臭い)、耳は外耳炎(痒み、汚れや臭い)、
眼は眼ヤニ・瞬きの様子・白みがかっていないか、皮膚は赤み・脱毛・
デキモノのチェックができれば十分です。
■食欲
食いつきが悪い場合は、好き嫌いなのか、食欲不振なのかを見分ける必要が
あります。おやつは食べるのか、好きな物でも食べないのかという点がポイント
です。
■排泄
色、量、固さに加え、スムーズな排泄ができているかどうかの確認も大切です。
◆◇◆◇日々のケア◆◇◆◇
自身の習慣に組み込んで継続している社員がほとんどです。
■デキモノのチェック
コミュニケーションの一環で、全身を触ります。
せっかく触るのであれば、「デキモノのチェック」と「体格チェック」も一緒
にしてみましょう!
■口のチェック
歯石の沈着・歯肉炎の有無をチェックします。
最初は嫌がっていた子も、少しずつ慣れさせていくことで、奥歯まで触らせて
くれる子がほとんどです。歯みがきの方法は、歯ブラシに限らず、歯みがき
シートという選択もあります。ご自身に合った方法を見つけていきましょう。
■耳のチェック
垂れ耳のワンちゃんと暮らしている社員では、多くがチェックしています。
外耳炎は見た目、臭いの変化に獣医師でなくても気づきやすいので、早期発見
しやすい病気です。
■フードの選び方
原材料が明記されている商品、療法食でなくても、獣医師に相談して商品を
決める社員が多い傾向にあります。
容量の少ない規格を買い、常に新鮮なフードを与えることも大切です。
▼熱中症週間予報(STOP熱中症プロジェクト)
http://www.anicom.co.jp/stopheatstroke/
◇◆◇◆上級者編◇◆◇◆
夏の間は、どうしても散歩の時間や回数が少なくなるため、運動不足気味の
ワンちゃんも少なくありません。
夏の間に運動量が落ちると、ワンちゃんの筋肉が衰えてしまい、脚の腱や
肉球のケガにつながってしまいます。
涼しくなったので、運動量を取り戻そうと、一気に、夏前の運動量を
取り入れるのは危険です。いきなりの強度な運動は心臓に負担がかかり
運動中に貧血で倒れてしまうこともあります。
9月は徐々に慣らす期間と考え、ワンちゃんの調子をみながら運動量を
取り戻すようにしましょう。
◇◆◇◆室内の温度管理◇◆◇◆
日中だけでなく夜間の温度管理も大切です。
秋になると、夜間にぐっと気温が下がります。1日の気温差が7度以上
になると、ワンちゃんは下痢をしやすくなるといわれています。
お腹を壊してしまわないよう、クーラーがきき過ぎないように調節したり、
クールマットなどを出しっぱなしにしないようにしましょう。
その他にも、気温の変化により、元気消失、食欲低下、脱力感、嘔吐、
発熱といった症状が現れる子もいます。
飼い主さんのこまめな温度管理がワンちゃん・ネコちゃんの体調に大きく
影響を与えます。1日の中で気温差が激しくなるこの季節は、室内でも
温度管理に気を配り、どうぶつの体調の変化に気をつけてください。